中田 英之

Hideyuki Nakata

  • 泉州統合クリニック 院長

資 格

  • 日本産婦人科学会 産婦人科専門医
  • 日本東洋医学会 漢方専門医・指導医

経 歴

平成7年 防衛医科大学校卒業 産婦人科入局
平成7年 防衛庁医官として、防衛医大産婦人科、自衛隊中央病院、 自衛隊仙台病院の他、第六後方支援連隊にて部隊勤務を経験
平成13年 自衛隊仙台病院 産婦人科・漢方外来
平成17年 慶應義塾大学医学部 漢方医学講座所属(現漢方医学センター)
平成21年 練馬総合病院着任(漢方内科外来担当・健康医学センター長)
平成23年 練馬総合病院 漢方医学センター長に就任
令和3年 医療法人ロングウッド 泉州統合クリニック 院長に就任

INTERVIEW

泉州統合クリニックの院長となられた経緯を教えてください。

大学卒業後、総合病院で西洋医学の医師として診療をする中で、症状が良くならずさまざまな科を転々とする患者さんを数多くみてきました。
例えば、めまいと鼻炎の症状がある方が、耳鼻咽喉科や脳神経外科を受診しても原因がわからず、最終的に精神科を受診するというケースです。しかし、お話をじっくりと伺ってみると、日々の疲れがたまり体力をかなり消耗している状態で、少し休んだり胃薬を処方したりすれば快方に向かうことがあります。患者さんご本人がどのような生活をしているのか、なぜ不調に至ったかをしっかりと耳を傾け、観察し、さまざまな観点をつなげて科を横断的に診断をつける「つなぐ診療」が重要なのではないかと、日々考えるようになりました。

このような「つなぐ医療の実践」、そして、少しのつまずきで不調に陥っている人、快方の余地があるのに深刻化してしまう人を減らしたい、という強い思いを抱いていた時に、ロングウッドさんとのご縁があり、泉州統合クリニックを開院することとなりました。

普段の診療で心掛けていることを教えてください。

診療では、患者さん一人ひとりの声に耳を傾け、その方の生活背景や身体の全体像を理解することを重視しています。身体に見られる症状は、ご自身の中にある異常をメッセージとして表してくれていて、バラバラに起きているように感じる不具合はすべて身体の中でつながっています。そのため、漢方薬による治療だけでなく、どのような仕組みで不具合を起こしているのか、どう対処すれば良いのかをご自身で理解していただくための対話を重視し、実際に体験ができる「養生ヨガ」とも連携しています。

ただ手っ取り早く症状を取り除くだけではなく、真実をお伝えしたうえで手間暇かけて不調を根本から良くすること。そして、患者さんには、自分で自分をケアできるようになっていただくことが目標です。そして、どんどんよくなって、定期的なクリニックの通院を卒業していって欲しい、と願っています。

今後の展望について教えてください。

患者さんが自身の身体や心についてより深く理解し、不調が起きた際に適切に対処できるような「学びの場」を充実させていきたいと考えています。クリニックでの診療だけにとどまらず、ヨガクラスや宿泊型の転地療養サービスなども通じて、患者さん自身が健康を維持する力を養えるよう支援していきたいです。

また、若手医師の教育にも力を注いでいます。多くの医師が当院で熱心に研修を受け、「つなぐ診療」の理念が広がるよう取り組んでくれています。心身が密接に関連していることを理解した医師が増えることで、より多くの患者さんが包括的な診療を受けられる世の中になることを期待しています。最終的には、病院やクリニックに頼らなくても、健康を保てる社会を実現することが目標です。開業時に抱いたこの思いは、現在も変わっていません。